先月は「第7次エネルギー基本計画」に基づいて、2040年までの太陽光発電の導入量 を各市場の積み上げにより199~277GWと予測した。2040年の目標に向けた太陽光発電 の導入量の拡大は、電源としての“質と量”の両立に加えて“スピード”も求められている。今回の導入予測を進める上で見えてきたことは、これから2030年までの5年間が、 2040年の目標達成に向けて大事な5年となるということである。今後の導入量拡大はこれまでのように、国・自治体による普及促進策・規制改革や、経済優位性・収益性で達 成できるものではなく、太陽光発電特有の課題解決や新たな普及環境整備も同時に進めることが不可欠である。そのためには、導入を巡る主体による課題への対応と太陽光発 電特有特性に由来する課題に対する対応が求められる。
導入の主体による課題は3つあって、①政府が、普及拡大施策をどう切れ目なくペー スを上げて円滑に展開・強化していくか、②太陽光発電産業がどのように安価・安定供給に責任を持ち自立していくか、③電力需要家群がグリーン電力転換をどう加速するかである。これらの3つの主体に対する取り組むべき対策案(例)を表1に示す。
表1 太陽光発電の2040年目標達成への導入主体による課題と対策案(例)

次に、太陽光発電特有の特性に由来する課題への取り組みも、2040年の目標達成には極めて重要で、必須となる。その課題は5つあって、①経済性をどのように上げていくか、②変動からどう脱却していくか、③系統制約をどこまで解消できるか、④立地制約に対して太陽光発電設置の適地をどこまで広げられるか、⑤社会受容性をどう高めていくかである。これら5つの課題に対する対策案(例)を表2に示す。
表2 太陽光発電の2040年目標達成への太陽光発電への課題と対策案(例)

導入を巡る主体に加えて、太陽光発電特有の課題への対応がどれ一つ欠けても、これ からの太陽光発電の導入拡大は、制限される。しかし、こうした課題は施策や制度構築、 さらに技術開発や技術融合によって十分克服できるレベルであり、課題解決は、本格的な大量導入に直結している。これから2030年までの大事な5年間、官民総力を挙げて各 種の課題を取り崩し、太陽光発電の自立と普及を加速していかねばならない。
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