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太陽光発電導⼊⽬標量の実現に向けて市場別⽬標量の設定を

2025.06.06

経済産業省は「再生可能エネルギー大量導入・次世代電力ネットワーク小委員会」を 開催し、「第7次エネルギー基本計画」における2040年の再生可能エネルギーの導入目 標量の実現に向けた新たな施策展開への取り組みを始動した。同小委員会は、環境省、 国土交通省、農林水産省から再生可能エネルギー導入の現在までの取り組みと、更なる導入拡大に向けた今後の取り組みについてのヒアリングを行った。各省は所管する事業に基づいて、住宅、民間施設、公共施設、インフラ施設、地域の脱炭素化、営農型太陽 光発電、次世代型太陽電池などについて、これまでの導入実績と今後の導入展開の方針を報告した。次回は、経済産業省の報告をもとに再生可能エネルギー政策全体像の議論を深めていく予定である。2030年のエネルギーミックスに基づく再エネ導入目標と進捗 状況との間には乖離がみられることから、太陽光発電の導入展開策も今後一段と強化されると思われる。

 

第7次エネルギー基本計画では、太陽光発電による電源構成比率を23~29%へと大幅 に引き上げていくことを求めており、図1に示すように今後進めていく太陽光発電導入 展開の柱として、屋根設置型太陽光発電、地上設置型太陽光発電、次世代型太陽電池の 早期社会実装を掲げている。

 

  • 自家消費&地産地消を担う分散型リソース
  • 地域との共⽣と国⺠負担の抑制を前提とする導⼊
  • 需給近接型での建築物の屋根・壁面の有効活用の追求
  • 次世代型太陽電池の国内サプライチェーン構築と産業競争⼒の強化

 

導入展開の柱

屋根設置太陽光発電+ 地上設置太陽光発電+ 次世代型太陽光社会実装

図1 「第7次エネルギー基本計画」における太陽光の基本的考え方

 

 

同基本計画に基づく2040年の太陽光発電の導入目標量は、200~280GWACに相当し、これまでの累積導入量を75GWACとすると、新規の累積導入量は125~205GWACとなる。 この量は毎年8~13GWACの導入を15年間続けて初めて達成される量ではあるが、表1に示すように、わが国の太陽光発電市場は住宅、公共施設、民間施設からなる建物市場及 び地上設置型、農地活用型、水上設置型からなる非建物市場に分類され、ともにすそ野が広く、年間20GW規模に発展していく可能性を持っている。今日の年間導入量4~ 5GWAC水準から4~5倍の市場規模に成長する潜在力がある。 一方、今日の太陽光発電の導入環境は、適地選択の自由度が狭まり、出力制御や余電力への対応が迫られる厳しい状況の中にあり、今後の関係省庁による新たな施策が大きなカギを握っている。表1に示されるわが国の太陽光発電市場の発展には、関係省庁がそれぞれ所管する施策、予算、法整備、規制改革、税制、標準化、技術開発等を総動員した導入加速への体制整備が不可欠である。

 

2040年に向けた関係省庁別の導入目標量は今後設定されると思われるが、同時に太陽光発電産業界や電力需要家が導入拡大に取り組んでいくためには、市場別導入目標量の設定も重要である。わが国は現在、太陽光発電導入量を再び成長軌道に乗せ、再エネ電 力への転換を加速する重要な転機を迎えている。「基本計画で設定された太陽光発電導入目標量を市場別にブレークダウンすることで、各市場での発展の予見性が高まり、 太陽光発電産業にとっては、市場に応じたプレーヤー形成、事業形成、人材確保・育成 など日本のトップ電源を担う、次世代太陽光発電産業への事業基盤の強化を図ることができる。電力需要家群にとってはグリーン電力転換を進める上での太陽光発電選択の計画を立て易くなる。さらに、自治体にとっては、地産地消と地域経済の活性化に向けて、 各種の市場を活用した地域集団型の太陽光発電導入展開を進めることができる。

 

わが国は、太陽光発電の2領域6市場を今後の導入拡大重点成長市場と位置付け、これらの市場に応じた強力な導入支援策を関係省庁が連携して押し進め、官民の力を結集した導入展開の輪を広げていかねばならない。

 

表1 2040年の太陽光発電導入目標設定により見込める市場規模                                                                                     

PV Market Size Forecast

出典:「日本の太陽光発電導入量予測(2023-2035年)」(㈱資源総合システム)を基に加筆修正

 

 

「今月の視点」の英語版”RTS Monthly Perspective”は、こちらからご覧いただけます (英語版は日本語版の1~2週間後に反映されます)

The English version “RTS Monthly Perspective” can be found here. (English version will be released1~2weeks after the Japanese version)

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