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株式会社 資源総合システム

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2040年に向けた太陽光発電のグランドデザインを

2026.09.07

太陽光発電をめぐるこれまでの経済産業省 審議会

経済産業省における再⽣可能エネルギー(以下 再エネ)に関する審議会は、今後の導入拡大が新たなフェーズを迎えたことから、「再生可能エネルギー ⼤量導⼊・次世代電⼒ネットワーク⼩委員会」から「再⽣可能エネルギー主⼒電源化⼩委員会」に⾐替えした。

「再⽣可能エネルギー⼤量導⼊・次世代電⼒ネットワーク小委員会」は、第4次エネルギー基本計画(2014年4月)に示された再生可能エネルギーに関する方針を施策として具体化していく場として発足(2014年6月)した「新エネルギー小委員会」と、2017年5⽉に発⾜した「再エネの⼤量導⼊時代における政策課題に関する研究会」を受け継ぎ、2017年12月からスタートした審議会である。設置以来2026年2月まで10年間計79回にわたって開催され、再エネの健全な導入拡大とコストダウンを追求してきている。この間には、再エネを主⼒電源化する方針を打ち出し、第5次から第7次までのエネルギー基本計画における再エネの施策方針や導入目標量を設定するとともに、旧FIT制度から現在のFIT・FIP制度への移⾏を担ってきている。さらに直近では、調達価格等算定委員会とも連動して、再エネ5電源のうちコスト競争⼒をつけ始めた地上⽤太陽光発電に対してFIT・FIP制度からの卒業を導いている。

太陽光発電をめぐるこれからの経済産業省 審議会

一方、新たに改組された「再生可能エネルギー主 ⼒電源化⼩委員会」は、これまでの再エネを量の追求に加えて、在来型電源と同様に責任を担う電源としての質の追求も図り、真の意味で主⼒電源化させるための政策検討を⾏う場へと進展し、第7次エネルギー基本計画で⽰された再エネ導⼊⽬標量の実現を目指していく。特に太陽光発電に関しては、FIT・FIP制度をベースとする導⼊から⽀援を伴わない⾃⽴をベースとする導⼊への移⾏というフェーズを迎えている。

太陽光発電導入の現状

今日(2026年3月末)までの太陽光発電の導⼊量はACベースで80GW規模(DCベースでは100GW突破)に達している。しかし、直近のわが国の年間導⼊量では、世界市場が700GW規模へと急成⻑しているにもかかわらず、FIT・FIP制度による導⼊拡⼤の推進⼒は弱く、環境省による導⼊補助⾦を加えても5GW〜7GWの範囲のボックス圏内にとどまっている。年間10GWを超す国も続々と誕生してきており、世界の年間導⼊量トップ10ヶ国からも脱落している。

今後の⽬指すべき導⼊量

こうした中でもわが国の2040年度での太陽光発電による発電量の目標は、最⼤電源量となる2,530〜3,480億kWhに設定されており、容量に換算すると200〜280GWに相当する(第6次エネルギー基本計画における発電量と容量の原単位ベース)。2025年度までの太陽光発電累積導⼊量は80GW規模なので、2040年までに新たに120〜200GW(このうちペロブスカイト太陽電池20GWを含む)の新規導入が必要となる。今後15年で年平均8〜13GWの導⼊が求められ、これまでの導⼊量の1.5倍から2.5倍に引き上げていかねばならない。

「再⽣可能エネルギー主⼒電源化⼩委員会」での審議

新たに発⾜した「再⽣可能エネルギー主⼒電源化小委員会」は、現在2027年度以降のFIT/FIP制度の事業⽤太陽光発電における⽀援重点化⽅針についての議論が⾏われている。この背景には、事業用地上設置太陽光発電に対するFIT・FIP制度による⽀援が今年度に終了する⼀⽅で、地域との共生が図られた導入に対しては、支援の重点化を図る⽅針と意⾒が「⼤規模太陽光発電事業対策パッケージ」及び「調達価格等算定委員会」で示されたことによるものである。これまでに4回開催されており、関係省庁・地⽅⾃治体・事業者団体よりヒアリングが⾏われ、FIT・FIP制度での⽀援を重点化していくための地域共生が図られた太陽光発電の類型選定が屋根設置型を筆頭に進められている。

「再⽣可能エネルギー主⼒電源化⼩委員会」への期待

現在太陽光発電は変動電源性、系統制約、⽴地制約などによる導入拡大への⾃由度の低下と地域共生への対応に直面する一方で、発電事業としての導入に加えて新たにPPA方式による自家消費のための導入が増加し始めている。ここまで導入拡大が進むと、現状のFIT・FIP制度に頼る導⼊拡⼤には限界がある。現在抱えている導入障壁を乗り越えて導⼊⽬標量の達成を実現するためには、これまでの延⻑ではなく、規制改革や優遇税制を含む大胆な政策展開に加えて、安定・安価供給を担う太陽光発電産業の基盤強化、グリーン電源転換を進める電⼒需要群からの導入展開、新市場の形成、技術開発・融合などを複合した推進⼒を⽣み出していかねばならない。

「再⽣可能エネルギー主⼒電源化⼩委員会」の役割は重要で、前述の短期的な対応だけでなく2040年に向けての太陽光発電導⼊加速と⾃⽴に向けた対応への審議も重要となる。同小委員会には表1に示すように、関係省庁、⾃治体、太陽光発電産業、電⼒需要家群、市場形成、技術などそれぞれの視点に⽴っての導入拡大への多⾯的な議論と審議を⾏い、太陽光発電の導入目標達成に向けた2040年までの時間軸で⽰すグランドデザイン(太陽光発電戦略)を早急に描くことを期待したい。

グランドデザインで示される太陽光発電導入拡大施策を担う関係省庁別による導⼊⽬標量の設定及び目標達成に向けた施策や市場形成のロードマップは、導入施策の継続性と市場・産業の成⻑性を⽰すものとなる。同時に実際に導入拡大を進める太陽光発電産業・利活⽤産業及び電⼒需要家群にとっては、太陽光発電の⾃⽴に向けたプレーヤー形成、市場形成、再エネ転換の加速に向けた今後の投資と導入展開への大きな指針となり、関係省庁、⾃治体とも⼀体となった太陽光発電導⼊展開⼒の強化に繋がっていく。

 

表1 「再生可能エネルギー主力電源化小委員会」に期待する太陽光発電主力電源化へのグランドデザイン

2040年に向けた関係省庁別及び市場別導入目標量の設定による年間導入量拡大策
①に基づく、導入目標達成に向けた省庁別施策及び市場形成ロードマップの作成(太陽光発電導入量拡大対策のパッケージ化)
エネルギー産業としての太陽光発電産業基盤強化への産業政策(太陽光発電システム機器のサプライチェーン再構築あるいは安定・安価調達策、O&M分野及び再エネ電力供給サービス分野の強化策)
FIT・FIP制度に頼らない自立に向かう新たな導入拡大策(PPA活用、優遇税制、導入義務化・・・)
導入拡大に向けた新市場への支援策(農地活用、公有地活用、次世代太陽電池活用・・・)
導入拡大に向けた省庁間連携による施策・規制改革の強化策(営農型太陽光発電、建物一体型太陽光発電、PPA活用太陽光発電・・・)
文教施設の整備強化を進める文部科学省の関係省庁としての参画(ZEB化、レジリエンス対応としての太陽光発電活用標準化)
導入拡大に向けた社会受容性の向上策(太陽光発電の需要家側に対する安全・安心・安価・安定電源の追求、事業規律強化への取り締まり体制の徹底・・・)

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