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野心的目標を現実にしていく8本の柱

2021.12.09

脱炭素社会形成に向けて遅れは許されないわが国は、菅前首相決断による「2050年カーボンニュートラル」及び「2030年温室効果ガス46%削減」宣言以来、再生可能エネルギーを巡って、政策サイド、供給サイド、需要サイド、金融サイドの対応が一変したが、「第6次エネルギー基本計画」及び「地球温暖化対策計画」の策定案が閣議決定されたことで、2030年目標が定まり、落ち着きを取り戻した。これからが目標実現に向けての本当の厳しい挑戦が始まる。

 

太陽光発電には、経済性、変動電源性、系統制約、立地制約、地域共生という乗り越えるべき課題を抱えているが、電源として最も伸ばすべき主軸の再エネ電源に位置付けられ、2030年度の導入目標量は117.6GWという野心的な水準が設定された。過去10年の導入量とほぼ同量の60GW規模が2030年までの導入量となるが、このうち18GW分は事業認定の済んでいる未稼働分なので、40GW規模が実質の新規導入分となる。

 

普及拡大を牽引してきた現FIT制度が2022年3月に終了、同年4月よりFIP制度に移行することで、太陽光発電市場が縮小するのではないかという懸念もあったが、再エネタスクフォースによる規制改革推進が立ち上がるとともに、「第6次エネルギー基本計画」及び「地球温暖化対策計画」を策定する中で、関係省庁が参画し、導入拡大への責任分担が導き出された。経済産業省は、住宅及び小型太陽光は地域活用電源としてFIT制度を残し、中型以上の太陽光はFIP制度下での導入を進めるだけでなく、オフサイト型のコーポレートPPAによる導入拡大に乗り出す。同省はこの他、地域理解の促進や系統制約の克服に向けて、再エネ導入拡大への普及環境整備を強化していく。環境省は、国・自治体の公共建築物への太陽光発電導入率先実行、ポジティブゾーニングによる自治体主導の地域共生型太陽光発電の導入、民間企業への自家消費型太陽光発電の導入支援、地域脱炭素化ロードマップに基づく脱炭素先行地域づくりを促進していく。国土交通省は、住宅及び建築物への省エネ基準適合に向けての規制強化によるZEHやZEBの推進を図るとともに、所管する道路、鉄道、空港、都市公園等のインフラ施設の空間を利用した太陽光発電の導入を進めていく。農林水産省は、太陽光発電の設置に向けた農地転用規制の見直しや、みどりの食料システム戦略に基づく営農型太陽光発電の導入を広げていく。

 

このように、2030年に向けて経済産業省を軸として環境省、国土交通省、農林水産省の4省が責任を持つ導入分担体制が築かれ、これまで導入の進まなかった分野・地域・場所での導入が可能となる。関係省庁がそれぞれ所管する法律、制度、施策、規制改革、予算を総動員していくことで普及への新たな推進力が生まれようとしており、2010年代型のFIT制度一辺倒による導入構造に替わって、2020年代型の普及構造へと変化していくであろう。今後の太陽光発電の普及は省庁間をまたいで進める事案となるので、これまで以上の連携と継続性が重要となる。

 

今後の太陽光発電の導入目標量達成には、こうした責任省庁による導入展開に加えて、図1に示すように8つの柱が必要である。自治体、太陽光発電産業、利活用産業、市場、電力需要家、電力系統、金融もそれぞれが一つの推進力となり、役割分担を掛け合わせていくことで、野心的な国家目標は実現に変えることができよう。日本の太陽光発電産業は10年間で50GW規模の導入実績と、多様な規模、用途、設置場所で200万件を超す施工実績がある。さらに発電電力の長期安定運用の実績も積んできている。FIT制度で培われた経験、技術、知見はこれからの10年の発射台であり、次の目標達成と自立に向けた発展につないでいかねばならない。幸い2020年代には再エネ電力を望む電力需要家群が育ってきており、そこに金融業界が支援していくという構図ができている。導入コストを必要としないPPAモデルも広がろうとしている。地域経済活性化に向けた自治体による導入展開も始まる。送電網増強、ノンファーム型接続の運用拡大、電力貯蔵による調整電源確保などの系統制約解消に向けての対応も進んでいく。太陽光発電産業は、こうした新たな事業環境変化に対応して、太陽光発電システムの高度化・高機能化、蓄電池を含めたコストダウンと安定供給、責任省庁と連携した市場開拓、蓄電池、IT等周辺産業との連携強化を図り、安定供給の責任産業として、新たな60GW導入という国家目標達成への要とならねばならない。

 

図1 2030年太陽光発電導入量達成への8本柱と役割

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