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株式会社 資源総合システム

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「望ましい営農型太陽光発電」の発展に向けて

2026.06.08

望ましい営農型太陽光発電

 

農林⽔産省は営農型太陽光発電のあるべき姿の明確化と適正化を図るために「望ましい営農型太陽光発電に関する検討会」を2025年5月から開催し、今年4月の第6回検討会で「望ましい営農型太陽光発電」についての方針をまとめた。

 

今後の営農型太陽光発電の導入においては、農地の一次転用許可に加えて、農山漁村再生可能エネルギー法に基づく認定を受けることが必須となり、地域共生の観点が制度として組み込まれることになったことが、従来と大きく異なる点である。

 

望ましい営農型太陽光発電の基本理念には、適切な営農の継続を⼤前提として特例的に農地⼀時転用を認めるものであること、将来にわたって農地の⾷料⽣産基盤としての機能が維持され、⾷料安全保障の確保に資する取組であること、農業者の所得向上や経営発展に資する取組であること、地域と共生し地域活性化に資する取組であることが掲げられている。そのための形態として、営農者の農業持続性、品目が地域で一般的に栽培され毎年収穫可能なもの、設備は遮光率が30%未満、最低地上高が3m以上かつ支柱間隔が4m以上と規定された。

 

農林⽔産省では、これらの基本⽅針に基づいて法制化や運用を新たな制度として定めた上で、営農型太陽光発電を推進していく方針にしている。

 

 

大企業の参入が増加

表1.新たな営農型太陽光発電への取り組み事例

Agripv initiativeこれまで国内の営農型太陽光発電は、個々の農家による導入が多く、設備も小規模なものが多かったが、大手企業や農業法人の参入がはじまったことにより、表1に示すように各方面から営農型太陽光発電の発展に向けた新たな展開も始まっている。この他にも、在来電⼒、新電⼒、ガス、太陽光発電メーカー、⾦融、不動産、ゼネコン等による参⼊が拡がっており、太陽光発電を活用した農業と、農地を活用した発電事業の相乗的発展が期待される。

 

 

 

 

 

海外の動き

 

一方、世界では太陽光発電の導入拡大と進展に伴って、営農型太陽光発電(Agrivoltaics)という新たなジャンルが、農地を⾷料とエネルギーを同時に生み出す場所へと変化させ、食の安全保障、エネルギー安全保障、地球温暖化対策(脱炭素化)に貢献するという認識が拡がっている。農地を農業生産と太陽光発電の両方に同時に活用することで土地利⽤率を向上でき、太陽光パネルによる日陰は、増加する異常気象から作物や家畜を保護したり、水消費量を削減することで農業のレジリエンスを高めたり、より広範な意味では、動植物の生息地を提供して世界的な生物多様性の損失を緩和したりすることができる。地域のステークホルダーや農業セクターと連携した、より持続可能な太陽光発電の拡大を可能にする魅⼒的なビジネスモデルの拡がりも期待されている。IEA-PVPSによると、中国、フランス、米国、イタリア、イスラエル、韓国、ドイツといった先駆的な1国々における支援政策に後押しされ、世界的な導入は加速しており、全世界でのAgrivoltaicsの導入量は累積で20GW規模と推計されている。インドでは合計10GWの営農型太陽光発電の導入が計画される等、世界では大規模導入も⾒込まれている。

 

 

営農型太陽光発電の望ましい発展に向けて

 

日本では、第7次エネルギー基本計画における2040年における電源構成において、太陽光発電の導入目標は200〜280GW規模に相当し、農地の活⽤が不可⽋である。弊社予測では、その達成のためには農地活用分野において22〜49GWの太陽光発電の導入が必要であり、2040年には年間25GWの規模となることが⾒込まれる。現在の導⼊量は年間0.3GW前後と推計され、その10倍以上の規模での導入が必要となる。その導入拡大に向けて、各セクターの取り組み案を表2に示す。国には食とエネルギーの両⾃給率向上に資するものとして営農型太陽光発電の活用を促す総合的政策の策定(導入目標の設定も含む)、望ましい営農型太陽光発電を普及促進する科学的根拠に基づいた制度設計等を要望したい。自治体には農山漁村再生可能エネルギー法に基づく基本計画の策定の推進、営農型太陽光発電活用の拡大を通じた地産地消型エネルギーによる地域の脱炭素化・経済活性化を期待したい。農業界には太陽光発電の導入メリットを理解していただき、太陽光発電設備を活用した農作業、専用農機、DX化・スマート化の浸透を期待したい。太陽光発電業界では事業規律の徹底順守による農業との両⽴、営農型太陽光発電のコストダウンとともに、農業界と連携した太陽光発電活用ビジネスモデルの開発が必要となる。

 

営農型太陽光発電を望ましい形で導入促進するフェーズに移⾏していくためには、農業の発展を大前提として、関連する省庁・自治体、農業団体、農機具産業、太陽光発電産業、農学・工学の学術界等のステークホルダーからなる太陽光発電活用型農業を推進していく官⺠協議会(仮称)が必要となろう。省庁や産業分野、さらに技術分野の垣根を越えて、横断的議論をしながら、営農型太陽光発電による⽇本の⾷料安全保障とエネルギー安全保障の両⽴を図っていかねばならない。太陽光発電が農業の発展をもたらし、農業が太陽光発電の発展をもたらす、未来志向型の「農業×エネルギーの同時成⻑モデル」を営農型太陽光発電で実現していこう。太陽光発電産業サイドは営農型太陽光発電を地上設置型発電事業の延⻑としてとらえるのではなく、日本の農業発展の一環として追求していくことが求められる。

 

表2.望ましい営農型太陽光発電の拡大と定着に向けた各セクターの取り組み案

営農計画

 

 

 

 

 

 

「今月の視点」の英語版”RTS Monthly Perspective”は、こちらからご覧いただけます (英語版は日本語版の1~2週間後に反映されます)

The English version “RTS Monthly Perspective” can be found here. (English version will be released1~2weeks after the Japanese version)

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