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株式会社 資源総合システム

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新たな導入目標「PV150」の提案と、実現に向けた行動計画

2019.02.08

太陽光発電は今や、経済産業省と太陽光発電産業界両者の主導による普及から脱却し、その他の府省庁、自治体、導入者、在来型エネルギー産業、利活用産業、金融機関を巻き込み、長期的には“エネルギーシステムとして”から、“社会システムとして”大きな発展が見込まれようとしている。現時点で太陽光発電は55GWの導入規模になっており、2030年64GWという導入目標は10年前倒しで目標が達成されようとしている。今後は、64GWという量の目標に止まらないもっと大きな光り輝く目標を視野に入れるべきであろう。

弊社は2018年2月に2030年の新たな導入目標として150GWの導入(PV150)を提言したが、その続編としてPV150の実現に向けた行動計画(PV150行動計画)を提言したい。PV150を現実的な目標として掲げ「主力電源としての責任を担う太陽光発電」に挑戦すべき時であると考えるが、同時に、FIT制度開始以来の太陽光発電の急増によって顕在化した問題の解決を始めとし、制度、産業構造、産業競争力、技術開発、電力利用、社会環境等、多角的に取り組むべき課題が多く存在する。
本提言では、これらを乗り越えてPV150を実現するための取組みとして、基軸となる8つの行動計画を提案した。産業サイド、政策サイド、導入サイドが一体となって参画することを基本とし、図1に示す通り、①経済合理性、②太陽光発電業界の主体的行動、③新たなビジネスモデル、④技術開発、⑤施策展開、⑥国家目標とインセンティブ、⑦電力ビジネス環境、⑧導入・利活用サイドからのアプローチの8項目で構成される。

 

 

これらの行動の当事者は、太陽電池・システム・サービスを提供する供給産業であり、太陽電池・システム・ソフトの技術水準を革新する技術開発セクターであり、国家戦略に整合した利用環境を提供する政府であり、電力系統の管理・運用セクションである。さらに、需要家サイドに立って太陽光発電電力を効果的に活用するためのプラットフォーム等を提供する需要産業であり、住民や企業による太陽光発電導入を支援しつつ、地産地消と環境保全を担保する地域社会である。これら関係者がベクトルを合わせ、PV150の実現に向け総力を挙げて取り組むことを提唱したい。

150GWの導入への取り組みによって、太陽光発電が国内総電力需要の約15%に相当する年間1500億kWhの電力を供給するだけでなく、エネルギー需給構造の転換を促進し、脱炭素社会の構築で世界をリードしていくと期待される。さらに、年間約10GW規模の安定した市場が形成され、太陽光発電産業の国際競争力を高め、海外市場の獲得にも寄与すると考えられる。表1に示すように、PV150の実現への課題を克服すると太陽光発電をめぐる新たな礎が整い、2030年以降の飛躍的な発展につなげることができよう。

現FIT法は、2020年度末までに抜本的に見直すこともあって、現段階では2030年のエネルギーミックスの改定の議論は全く行われていない。しかし、冒頭に述べたように、2030年の導入目標量64GWは2020年初頭には達成すると見込まれている。したがって、国の議論を待つのではなく、太陽光発電産業界もまた自主的にチャレンジを必要とする高い志を持った目標を設定すべきであろう。FIT制度に依存し国民負担で導入を進めてきた太陽光発電を、これからは次の世代に引き渡す“エネルギー財産”として、国民や大口需要家とともに、自立した新たな普及展開のステージに押し上げていこう。

 

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