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株式会社 資源総合システム

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太陽光発電の主力電源化の実現は総合的な展開力強化で

2019.07.10

第5次エネルギー基本計画が閣議決定されてから1年が経ち、太陽光発電システムは、あと半年で2020年代の発展の幕開けとなる。世界はこれまで、いかにコストを下げるか、そのために変換効率の向上、GWレベルの量産、普及のための制度構築に全精力をつぎ込み、長い年月を経て、在来型エネルギーと同等あるいはそれ以上の経済合理性にたどり着いている。太陽光発電システムは、今やエネルギーとして利用するための最低条件をクリアーし、エネルギー源として主軸となる展開を始めている。太陽光発電の低コスト化への追求は今後も続くが、安価になった太陽光発電システムが産業や生活、さらに社会の中に浸透する大規模利用の時代が訪れる。

これまでコストダウンと普及支援策による、量の拡大一辺倒で突き進んできた時代をX軸とすると、今後は、利用領域の拡大、発電に加えて新たな機能付加、長期安定運用の確立、系統制約の克服など、責任を担うエネルギーとしての大規模利用を可能とするY軸への展開が求められる。太陽光発電システムは、図1に示すように、X軸でのさらなる追求とY軸での今後の追求を通じて名実ともに主力電源となる。Y軸での追求はまだ世界的には途についたばかりであり、モノ作りの強さや安価だけでは太陽光発電は主力電源とは成りえない。Y軸は太陽光発電の展開力を示すもので、政策面、産業面、技術面、市場面、金融面、導入サイド及び利用領域面からの総合力が試される軸である。幸い、この総合力を必要とする分野は日本が優位性を発揮できる分野でもある。X軸では日本は太陽電池製造で中国等の国々に追い抜かれてしまったので、X軸は当面は世界の力を借りながらY軸を大きく伸ばすことで、制約なき太陽光発電の導入で再び世界をリードすることができる。なぜならば、日本は太陽光発電システムの急速な大量導入で、国民負担の増大や系統制約などの大きな国家的課題に直面している最先進国であり、この課題克服に先行して取り組むことで得られる克服へのノウハウは、太陽光発電利用大国として再び世界一に押し上げるとともに、日本の“稼ぐ力”にもなる。

経済産業省は第5次エネルギー基本計画を受けて、再生可能エネルギーの導入拡大の実現に向けた第2次中間整理(フェーズ2)を行い、さらに、フェーズ3と位置付ける再生可能エネルギー政策の再構築を含め、2020年3月末に向けてFIT法の抜本的見直しに動き出している。今後の再生可能エネルギー政策では、5電源それぞれの特性に応じて、各電源ごとの政策措置が図られる見込みである。太陽光発電システムに関しては、「需給一体型モデル」の促進策を初め、卒FITへ向けた審議を進めている。このように政策面でも、X軸だけでなくY軸への重要性を認識して、量の拡大から主力電源としての質を重視する環境整備を始めている。

このような今後のY軸への展開強化により、関係府省庁が所管する国土整備事業や施策では地球温暖化対策、ソーラーシェアリング、ZEH&ZEBなどへの対応が促進され、利用領域・形態を広げることができる。導入・利用サイドでは“RE100”“SDGs”“ESG投資”などの新たな社会潮流を育てることで、需要家側や金融セクターからの導入拡大への流れが加速する。産業面では、機器製造、EPC、発電事業、O&Mをカバーする、エネルギー産業の一翼を担う21世紀型の太陽光発電産業が形成され、国際競争力を高めながら太陽光発電の主力電源化を支えていく。さらに、技術面では、太陽光発電技術の高度化とともに、IT、AI、IOT、電力貯蔵、ドローンなどとの技術融合により、太陽光発電システム単独では不可能であった長期安定運用や系統制約克服実現への道が大きく開かれる。

このように我が国では、早期に国際価格レベルへの引き下げを目指すX軸の追求とともに、Y軸への展開は太陽光発電の主力電源化に不可欠な軸である。X軸およびY軸における展開活動の相乗効果を通じて、太陽光発電を主軸となる主力電源に仕上げることができよう。さらに、2050年に向けた将来を展望するならば、主力電源となった太陽光発電システムをベースとする社会システム作り(太陽光社会、未来型ソーラーライフ)が、さらなる太陽光発電発展へのZ軸となろう。

 

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