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太陽光発電は2050年に向けて1次エネルギーに進化(PV5.0段階へ)

2020.04.06

20201月、政府は脱炭素社会の実現に向けた「革新的環境イノベーション戦略」を策定し、2050年までに確立すべき革新的技術として重要な、5分野16技術課題について39の開発テーマを設定した。研究開発実施の司令塔には、府省庁横断の「グリーンイノベーション戦略推進会議(仮称)」が設置され、研究開発拠点として産業技術総合研究所内に「ゼロエミッション国際共同センター」が立ち上げられた。重要5分野のうち最初の柱となる分野に、5つの技術開発から構成される「エネルギー転換」分野を掲げている。ここでは「新たな素材や構造による太陽光発電の飛躍的な効率向上と低コスト化による、再生可能エネルギーの主力電源化を図る」ことが明記され、第1番目のテーマに「設置場所の制約を克服する柔軟・軽量・高効率な太陽光発電の実現」が挙げられている。さらにNEDOは、2月になって今後の技術開発の目指すべき方向性として「持続可能な社会の実現に向けた技術開発の総合指針2020」を策定し、次世代太陽光発電をCO2削減効果の高い持続可能エネルギーとして位置付けている。

 

これらの背景には、2010年代に太陽光発電コストが劇的に低下したことで、日照条件の良好な地域では入札による電力調達価格として24セント/kWhが実現し、太陽光発電は国際的にも最も安価な電源となることが見込まれているからであろう。今後、太陽光発電は主力電源化を目指す再生可能エネルギーのエースとして、活用の舞台を大きく広げていくという期待が高まっており、同時に脱炭素社会形成に向けたイノベーションも求められている。

太陽光発電の進化過程は表1に示すように、電源としての発展段階に応じて、利用形態はPV0.0からPV5.0へと進化していく。

 

太陽光発電PV5.0への進化

 

1954年に発明された太陽電池の利用は、特定の用途と結びついた“特殊電源”としてのPV0.0段階から始まり、1980年代には“独立電源”として電卓などの民生用機器に搭載されたPV1.0段階に進んだ。その後、性能向上と量産化技術が進展し“系統連系電源”としての活用されるPV2.0段階に移り、太陽光発電は各国政府の支援とコストダウンを通じて30年かけて世界に広まっていった。現在は在来型電源とも競合できる状況にあるが、“自家消費電源”として自立分散型の利用拡大が見込まれる、PV3.0段階の入り口に立っている。これまで、太陽光発電の利用は低コスト・大規模生産による量的拡大一辺倒で進んできたが、これに太陽電池の更なる高効率化、蓄電池、EMSを加味することで自立した普及の定着を図る大事な10年を迎えている。そして2030年代には太陽光発電は高機能太陽電池、スマートパワコン、高性能蓄電設備、ネットワーク最適制御機能などからなるシステムへと進化することで、PV4.0段階へとステップアップし、再エネ発電の主軸として“基幹電源”の地位確立に到る。さらに将来的には、移動体動力の電動化や熱利用の電化等、化石エネルギーを太陽光発電で代替するPV5.0段階へと進化すると想定される。太陽光発電は単に電力として止まらず、主要な“一次エネルギー”としての役割を担える段階に入っていくと考えられる。

 

現在、世界の太陽電池の年間生産量は100GW規模に達し、2030年までに200300GW規模となることが見込まれている。わが国は、PV2.0段階の前半までは、太陽電池の生産と導入で世界一を誇っていたが、その後、主軸である結晶シリコン太陽電池で中国などの海外の太陽電池メーカーに対して価格競争力を失い、生産シェアは激減している。

しかしながら、太陽光発電の発展はこれからが本格スタートを切る段階と言っても過言ではない。Utility3.0Society5.0、さらに、EVSDGsなど、2050年に向けた社会変化を支えるエネルギー供給の基盤は太陽光発電システムである。今後の太陽光発電をめぐる進化は、PV3.0段階からPV5.0段階への飛躍が想定されており、新たなイノベーションによる技術集積型あるいは知識集積型の新たな太陽光発電システムの開発や、社会と密着した発電事業を進めていくことで、再び世界をリードしていくことができよう。

 

技術開発やイノベーションには、大学や研究開発機関によるチャレンジが不可欠である。かつて1974年に発足したハードルの高い国家プロジェクト“サンシャイン計画”によって、太陽光発電システムは主力電源を目指すレベルまで到達したように、2050年に向けて、太陽光発電の一次エネルギー化を目指す、PV5.0実現へのロードマップの提案と実行を、“学”(技術研究開発分野)及び政府に強く期待したい。

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