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太陽光発電、FITに替わる新たな多様な推進力を

2021.03.08

菅首相による「2050年カーボンニュートラル」宣言後、政府、産業界、金融業界、研究開発機関がそれぞれの立場で、カーボンニュートラルの実現に向けて、再生可能エネルギーの最大限の導入に動き出しており、再エネを巡る状況が一変している。

 

これまでわが国の再生可能エネルギー普及拡大を担ってきた経済産業省では、「再生可能エネルギー大量導入・次世代電力ネットワーク小委員会」と「再生可能エネルギー主力電源化制度改革小委員会」が合同で開催してきた、再エネ型経済社会の創造に向けた第4フェーズの審議が進んでいる。

 

合同委員会は2月になって、「競争力のある再エネ産業の進化」、「ネットワーク等の再エネを支える社会インフラ整備」、「再エネと共生する地域社会の構築」を柱として進めてきた審議のうち、重要なパートを占める再エネ促進法の施行に向けた詳細設計案をまとめた。同案は、市場連動型のFIP制度、系統増強費用への賦課金投入、太陽光発電設備の廃棄等費用の積立を担保する制度、長期未稼働案件に対する失効制度等が骨子となっている。現法の不備を是正し、再エネのコスト低減と導入拡大を進める現FIT法の次のステップとして、再エネの市場自立に向けた電力市場統合を目指す制度案に一新されている。さらに、「調達価格等算定委員会」では電力買取価格をさらに下げ、売電への優位性が益々薄れる見直しを行うとともに、今後の事業の予見性に配慮して2023年度までの買取価格案も提示した。

 

これまで、太陽光発電は、エネルギー政策として始まったFIT制度での売電収入を推進力として爆発的な導入拡大を果たしてきた。しかしながら、上に述べた「再エネ促進法」への動きは、太陽光発電事業者にとって導入場所を確保して設置後全量を売電するという単純なビジネスモデルでは通用せず、これからは売電先も含めて高度な専門性が要求されることとなり、太陽光発電市場にとっては、太陽光発電の導入が売電目的から自家消費にも移行することとなる。このように、太陽光発電の事業環境は制度面、市場面から激変していくこととなるが、これは太陽光発電産業にとって最初から予想されていた、避けては通れない成長プロセスであり、大発展へのスタートが始まると考えるべきである。

 

太陽光発電は分散型発電を特徴としている。カーボンニュートラルという国家目標の実現に向けて太陽光発電に期待される重要な役割は、系統への電力供給に加え、特に比較的小規模の需要が分散する家庭用や業務用の電力需要に対する需給一体型での電力供給であり、地域のエネルギーレジリエンス確保への貢献も重要となる。市場では、第三者所有によるPPAモデルによる導入コスト負担不要の仕組みも開発されており、分散型太陽光発電による自家消費拡大の流れも生まれようとしている。これまでの太陽光発電の普及拡大の推進力は、FIT制度だけで今日に至っていると言っても過言ではないが、再エネ促進法が施行される2022年4月以降は、売電収益ベースではない新たな推進力の投入が求められる。

 

新たに設けられる制度、大幅に低下した発電コスト、広がる用途・価値を考えると、推進力は市場、規模、地域に応じて図1に示すように、多様化すると思われる。今後の太陽光発電の普及に向けて、政府からは規制や税制、産業サイドからは再エネ電源の導入や開発の積極化、市場からはビジネスモデルの追求、新市場の創出、新プレーヤーの躍進が見込まれ、これらが複合的に働き、新たな推進力を形成していくこととなろう。一つの推進力は小さくとも、組み合わせによる相乗効果で、影響力のある推進力を生み出すことは可能である。

 

太陽光発電産業は、エネルギー政策として始まったFIT制度による想定を超える導入によって発展してきたが、これからはカーボンニュートラルを先導する基盤産業として、電力需要家から高まる再エネ電力需要の拡大に対し、多様な導入・利用形態を発案するとともに、FITに替わる新たな推進力パターンを編み出していき、太陽光発電の自立を加速させていかねばならない。

 

図1 今後の太陽光発電普及拡大推進力

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