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太陽光発電の導入目標量の設定には、関係府省庁の参画を

2021.07.08

菅首相による「2050年カーボンニュートラル」及び「2030年温室効果ガス46%削減」宣言を受けて、この実現と達成に向けて動き出していた関係府省庁から、太陽光発電の今後の普及につながる方針が図1に示すように、続々と明らかになっている。

 

図1 太陽光発電普及拡大への政府一丸となっての新たな組織的促進体制の芽生え

 

政府は、2022年度予算編成の根拠となる「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)2021」と「規制改革実施計画」を閣議決定(6月18日)した。「骨太の方針」では、新たな成長の4つの原動力の一つとして、“グリーン社会の実現”を位置付けている。“グリーン社会の実現”では、グリーン成長戦略による民間投資とイノベーションの喚起、成長に資するカーボンプライシングの活用、脱炭素化に向けたエネルギー・資源政策を3つの軸にしており、エネルギー政策では、3E+Sを大前提として、再エネ主力電源化の徹底と再エネ最優先の原則による最大限導入を盛り込んでいる。「規制改革実施計画」では、6つの実施事項分野の一つに“グリーン(再生可能エネルギー等)”を取り上げている。昨年11月に内閣府に設置された、再エネ規制等総点検タスクフォースの活動が反映され、太陽光発電の普及拡大につながる農地の有効活用、系統制約の解消、需要家の選択肢の拡大、住宅・建築物の省エネ促進などの規制改革が進められていく。

 

関係府省庁も所管する施策の中で、再生可能エネルギーをめぐる新たな展開を進める方針が示され、太陽光発電の普及に対して“電源”というこれまでの切り口に加えて、“脱炭素”という新たな視点に立った活用が追加されようとしている。経済産業省は、これまでエネルギー政策の中で再生可能エネルギーの導入拡大を進めてきており、現在、2030年温室効果ガス46%削減に向けて、再生可能エネルギーの主力電源化加速と導入目標量の上方修正を含む第6次エネルギー基本計画の策定を急いでいる。さらに、昨年12月に産業政策の視点を重視して策定したグリーン成長戦略を改定し、太陽光発電をエネルギー関連産業の中の次世代再生可能エネルギーに再編するとともに、次世代電力マネジメント産業、次世代熱エネルギー産業、マテリアル産業を新たに追加した。

 

一方、内閣府は、「国・地方脱炭素実現会議」を通じて「地域脱炭素ロードマップ」を策定した。このロードマップは、地域の成長戦略としても位置付けられ、再エネの最大限導入による地域の活性化と課題解決を見込んでいる。環境省は、5月に改定された地球温暖化対策推進法に基づいて、同ロードマップの実行を担っており、関係府省庁と連携して、再生可能エネルギーの最大限導入を地方自治体が進めていく新たな制度と普及体制を形成していく。地方自治体が再エネ促進地域を設定し、複数年に亘って脱炭素化を進めていくための財政支援として、「再エネ立地交付金(仮)」の創設も計画されている模様である。今後5年間を集中期間にして、全国100カ所に「脱炭素先行地域」を設け、重点施策の投入が始まる。国土交通省では「国土交通グリーンチャレンジ」をとりまとめ、国土整備事業からのカーボンニュートラルへの対応として、住宅・建築物のゼロエネルギー化(ZEH・ZEB)やインフラ整備を通じた再エネの導入を広げていく。農林水産省は、「みどりの食料システム戦略」を策定し、この中で再生可能エネルギーの活用として、営農型太陽光発電システムの実証・社会実装を進めていく。

 

わが国の電源構成が集中型発電中心から、分散型発電の導入拡大が急速に進む今日では、今後の太陽光発電導入拡大には立地や導入形態の面から関係府省庁の施策の力を必要とする段階に来ている。関係府省庁はエネルギー基本計画に示される導入目標量を受けて、目指すべき量を設定するのではなく、2050年カーボンニュートラル実現という国家総動員の下で、各々の施策の中で“どれだけ太陽光発電の導入を織り込んでいけるか”を想定し、わが国の共通目標として組織的な導入促進へと移行していかねばならない。

 

従って、再エネ比率を2050年50~60%レベルに進展させていくための太陽光発電の導入目標量は、関係府省庁の参画による具体的な施策に基いた設定が必要となろう。これにより、再エネ導入目標量の設定時点から、政策総動員と目標達成への責任分担が図られ、確実な実現が期待できるようになろう。さらに、これと並行して、経済産業省には、再エネ電力を最大限受け入れる次世代ネットワークや再エネ産業の形成など、グリーン成長戦略と再エネ型経済社会実現に向けた強力な環境整備を期待したい。

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